「花仕事」から入れ、「米仕事」はその後。

  • 2018/11/12

最近、講演会・講義まどで必ず触れるキーワードがある。それは「花仕事と米仕事」という言葉だ。将来の観光立国実現に向けて、「米仕事=自分・自社が稼ぐための仕事」に加えて、「花仕事=地域社会(公共)への奉仕・貢献」が重要になると、各地で説いて回っている。

この「花仕事と米仕事」はもともと、全国の観光列車のデザインを手掛けていることで有名な工業デザイナー、水戸岡鋭治氏の言葉をモチーフにしている。氏が少年期を過ごした岡山の農村では、人々は朝5時に起きて農作業(米仕事)をしたのち、午後には傷んだ橋の修復やお祭りの準備といった村全体の仕事(花仕事)をする。これによって村の環境や文化、人・物・事が絶えず栄えていくのだという。

私は、この米仕事と花仕事の循環論に強くインスパイアされ、各地域のインバウンドの成功には、この2つの仕事を同時に並行的に行うことが不可欠であると論じている。実際、花仕事の取組みなくして、ご当地のインバウンドの成功は、ほぼ不可能だと考えている。

この言葉を講演会やワークショップで説明した際、聴講者からしばしば次のような質問を受ける。「では、花仕事と米仕事の、どちらから先に取り組むべきですか?」答えはいうまでもなく、花仕事である。米仕事よりまず、花仕事に目を向けるべきである。

米仕事とは、つまるところ純然たる経済活動である。米仕事しかしていないと、ドラスティックに成長することが難しい。一方の花仕事は、それとは全く逆の性質を持っている。経済活動を目的としていないため、思いがけない出会いや、つながりが生まれるのだ。そしてこれこそが、花仕事から得られる「代価」となる。

写真は、私の故郷佐賀県の歌垣公園より。

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